6月20日に行われた新カリキュラム研修会「アーユルヴェーダとヨガの学び」講座のQ&Aです。
似た内容のご質問は、まとめてあります。ご了承ください。
いただいたご質問は順次、講師より回答があり次第更新します。各自にてホームページより情報をご確認ください。
(2021年7月28日更新情報)
Q:プラクリティ、トリドーシャ(P190)
生まれた時のプラクリティは、どのような方法でわかるのでしょうか?また、ドーシャのバランスをとることが、生まれた時のプラクリティに近づくことになりますか?それとも、バランスを整えるとトリドーシャに近づくことになるのでしょうか?
A:プラクリティ、トリドーシャについて
生まれた時のプラクリテイを知る方法は、わかりません。ドーシャのバランスを取ることは、より健康な心身を獲得することに繋がり、豊かな日常生活が送れます。
Q:トリドーシャの特徴(P194)
季節で梅雨=増大 夏=蓄積、とありますがヴァータは梅雨に増大するから夏には蓄積されている、ということですか。増大と蓄積はどう違いますか。
A:増大、蓄積の違いについて
増大はドーシャが増えて行きます。ですからドーシャの特徴が顕著にあらわれてきます。進行形になります。蓄積は文字のように蓄積されて動きにくい状態です。
Q:アーマ、オージャス(P197)
アーマを増やさないためのおすすめの方法がありましたら、教えて下さい。また、身近な食べ物で、オージャスを増やすものはありますか?
A:アーマ、オージャスについて
アーマを増やさないためには、食べ過ぎない。夕食は軽く済ませる。朝のヨガアーサナ、散歩。 白湯を常に飲む。オージャスを増やすには、自分のドーシャを知り、五味でバランスを取ります。
Q:体質にあわせたアーサナ(P203)
それぞれなぜそのアーサナがその体質にあっているのですか。コブラのポーズなど、どの体質にも含まれているものがあったり、反る・丸めるといったことで分けているのでもないようです。ねじりのポーズとかはいかがでしょうか。
A:アーサナについて
ヴァータ体質は体力がないので、激しい動きより、ゆっくりと呼吸をしながら行う。カパ体質は体を動かすことが嫌いなので自分の体力に応じてしっかりと体を動かす。ピッタ体質は体を動かすことは得意である。バランスをとりながらゆっくりとしたアーサナが良い。いずれの体質もアーサナは体調を考えながら、生命の声を聞きながら無理をしないで行うことが大切です。朝のカパの時間帯に行うことをアーユルヴェーダでは勧めています。
Q:パンチャコーシャについて(P204)
この考え方を学ぶことは、その他の部分とどう繋がりますか。この考えをテキストにのせる目的は何ですか。
A:パンチャコーシャについて
パンチャコーシャは、インド伝承医学であるアーユルヴェーダの心身哲学論です。アーユルヴェーダの心身の捉え方の基本としてここに掲載しています。
※心身の哲学論というのは、例えばフランスのデカルトの「心身二元論」や、中国の道元の「心身一如」などのように世界中に色々な説があります。心理学界ではボディ、マインド、スピリッツという表現をしますし、WHOの健康の定義においては、肉体、精神及び霊性&社会での位置づけにおける身体観なで区分けされています。近年は脳科学の進歩により心と身体ではなく、心と脳の問題として論じています。
◉パンチャコーシャ :人間五層説の説明
五層は玉ねぎのように内側から拡重されていて、外側へいくに従ってどんどん粗大な粒子になります。一番外側は肉体を表し、より粗大で荒い物質からできていると考えられています。
・一番外側の肉体の層は、食事により生成されるもの、手に触れられるもので、食物の鞘(アンナマヤ・コーシャ)と言われています。これは私達が実際食べる物の影響を大きく受けます。この食物の鞘の層は、トリドーシャのバランスを取る事が大切で、その一つ内側の層と深く関わりがあります。
・一つ内側の層は、生気の鞘(プラーナマヤ・コーシャ)と言い5つのプラーナの影響を受けています。(新テキスト:呼吸法の章、5つのプラナを参照)この正気の鞘のプラーナが乱れると食物の鞘も乱れます。なので、常に新鮮なプラーナを取り入れて整え、生命力(オージャス)を活性化するようにします。
・そしてまた一つ内側には、意思の鞘(マノマヤ・コーシャ)があります。これは感情や心に関わる層で、外界からの刺激や自己が発するエネルギーにより乱れやすくなる部分です。従って、感情や心に振り回さないようにしっかりとコントロールする必要があります。
・更に内側には、理知の鞘(ヴィジュナーナマヤ・コーシャ)があり、ここは理性・知性の部分です。理知の浄化は大変難しく、コントロールするには物事を正しく理解し分別できなければ困難です。沖ヨガの「冥想の教え」にあるように、広く深い体験から得られる智恵を小悟とし、それを繰り返しながら智慧(大悟)に至らせる訓練が必要でしょう。アーユルヴェーダでは、この層を重要視していて「理知の過ちは病気の最大の原因」と教えています。
・中心核の層は生命の真髄部、アーナンダマヤ・コーシャで、歓喜の鞘としています。この層は、宇宙、真我と結びつく部分です。アーユルヴェーダでは、これこそが人間の本質であるとし、人皆すべて歓喜幸福の内に純粋に輝ける尊い生命であり、それが健康な状態を表す、としています。※インドのリグヴェーダにでてくる「シャンティ」というマントラの言葉の響きに存在するエネルギーは、この中心核のエネルギーといわれている
アーユルヴェーダの心身哲学論、パンチャコーシャはアーユルヴェーダの心身の捉え方の基本ですから、私達がヨガインストラクターとして当然知っておくべき知識です。
私達の生命は、子宮(小宇宙)に浮かんでいる赤ちゃんのように、五層を包括する幸福のエネルギー体として大宇宙に存在しています。大宇宙では他のあらゆる生命と影響し合い、全体として存在しています。全体の中の個として自身の層のバランスを調え、他と繋がる霊性の層(中心核)の純粋性を輝かせて生きる方法をアーユルヴェーダは教えています。ダンマ(宇宙法則)との調和を保つ具体的な方法は、食事、姿勢、呼吸などの生活習慣の見直しを季節や時間などの次元をも含めて考えることです。アーユルヴェーダの教えは、実践哲学として深く広い沖ヨガの教えそのものです。より健康により幸せに生き生き輝いて生きるための「科学」と「哲学」の教え、それがアーユルヴェーダなのです。(文責 宇部実智子)
Q:ドーシャチェック
ヴァータ32、ピッタ27、カパ43でした。
計算式のどれにもあてはまる場合、一番開きがあるものが自分の体質になりますか?
それとも一番数の多いカパになりますか?
A:ドーシャチエックについて
例(v)ヴァータ32、(p)ピッタ27、(K)カパ43
計算式
一番多い数43が次に多い数32とその次の数27を足して少ない場合は、
2番目に多い数と3番目の数を足したドーシャになる
43(k)>32(v)+27(p)=59 この場合はvpになる
51(p)>31(k)+30(V)=61 この場合はkvになる
*計算式は1種類なので、計算式のどれにもあてはまるはありません
*大差がないからvpkになるということは、計算上ありません。
一番多い数が2番目に多い数と3番目に多い数を足して少ない場合は、
2番目の数と3番目の数を足した数が多くなるので足した数のドーシャになります。
(2021年8月23日追加)
Q:ドーシャチェックの判定の仕方を今一度詳しく確認したいです。
例えば今回私は V度47 K度39 P度40となりました。
V+P>K =VP 47+39>40
P+K>V=PK 40+39>47
K+V>P=KV 39+47>40
計算するとどれも当てはまるのでVPKと判定するのでしょうか?
またはVが一番数値が高いのでVと判定するのでしょうか?
1つ(V /P/ K)もしくは2つの体質(VP/PK/KV)とまたはVPKと『判定する基準』のポイントを教えて下さい。
A:ドーシャチェック判定
基本は一番多い数があります 。残りの二つの数を足します。
一番多い数が、残りの二つを足した数より少ない時は、残りの二つを足したドーシャとなります。
一番多い数V47,二番目に多い数P40,三番目に多い数K39
47が40と39を足した数より少ないので、pkとなります。
ドーシャはpkです。
例えば、一番多い数が、残りの二つを足した数よりそれでも多い時は単独の一番多い数のドーシャとなります。
vが50pが25kが20
v50がp25+k20より多いのでvドーシャになります。
Q:VATA人
VATA人は不安や恐れを感じやすいとのことですが、鬱になりやすいのはカファとのことでした。
ここにはどんな違いがありますか?
またVATAは呼吸、心臓の動き、神経伝達を維持する役割があるけど場所は臍から下というところに混乱しております。
A:vは臍から下に存在し、vが増大すると存在する部位がアンバランスになります。